日本の最高学府に、なんてこと言うんだと思った人もいるかもしれませんね。でも、こういう現実があります。
わたしがハーバード大学で客員准教授をやっていたとき、総長のヘンリー・ロソフスキーとよく話しをました。
彼は知日家で、日本のことをよく知っているんです。こんなことを言われました。

「ヘイゾウ、日本人は東京大学を『偉い』と思っているんだろう。
でも、ハーバード大学から見れば、東京大学は、トーキョーにある大学以上の意味はないんだよ」

何を意味しているかというと、もはやグローバル基準で「東大卒」は「学歴」にならないということです。
グローバル基準はもっと上をいっているんです。

人間、学歴じゃない。こういう言い方がありますね。しかし、国境を超えて働く――グローバル社会とは、強烈な「学歴社会」。
このことを知っておいてほしいんです。

なぜ学歴なのかは、極めて合理的な判断です。
グローバル社会では、あらゆる国から人が集まってきます。文化や宗教、あらゆる点で多様ですから、どこかで物差しを導入しないとなりません。
それこそが学歴で、世界中から集まってくるからその基準もより厳しくなります。このことに関しては後ほどお話しするとして、日本は単なる「入試歴社会」ですよ。
どのぐらい、難しい入試に受かったか。そこだけを見ている。日本は同質性の高い社会だから、有名な大学を出ていて、いい人そうであれば、企業は採用しますし、これまで回ってきた面はあります。

エリートと言われる人でも、日本で博士号を持っている人はとても少ないですね。そこから考えると、日本は「低学歴社会」です。
そもそも大学の進学率は50%台でしょう。いま、世界の大学進学率は、もっともっと高い。低学歴社会だと思わないといけない現状です。こういうことは、海を渡ると見えてきます。
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