東京医大の女子差別、海外でも報道…批判の声

東京医科大(東京)が女子受験生らの合格者数を抑制していた問題が、海外でも波紋を呼んでいる。
海外の女子学生も批判の声を上げ、日本の構造的な問題と捉える海外メディアもある。

◆ためらい

「同じ医師を目指す女性として怒りがわく。絶対におかしい」。国会内で10日に開かれた抗議集会。
夏休み中に参加したベルリン医科大5年の女子学生(24)はそう憤った。

女子学生によると、ベルリン医科大では同級生の約6割を女子が占める。師事する麻酔科の教授も
子どもを持つ女性だ。今回の問題はドイツ国内でも報道され、同級生や教授から「日本は一体
どうなっているのか」と驚かれた。

ドイツ人の父親と日本人の母親の間に生まれた女子学生は、両国で医師免許を取得したいと考えていたが、
今はためらいを感じている。「日本では女性というだけで不利な立場に置かれかねない。日本も女性が
活躍できる医療現場に変わってほしい」

◆欧米で報道

海外メディアも関心を寄せる。東京医科大の内部調査委員会が女子受験生らへの差別を認める報告書を
公表した7日、東京都内で同大が開いた記者会見には、海外メディアも複数駆けつけた。

米USAトゥデー紙(電子版)は同日、「日本の女性は半数近くが大学を卒業するなど世界で最も教育を
受けているが、子どもを産んだ後に長時間労働や保育所不足のために退職する女性が多い」と
待機児童問題に絡めて言及。英BBC(同)も8日、「今回の問題は国民的な怒りを呼び起こしている」と報じた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20180814-OYT1T50080.html