日銀が保有する国債などの総資産が548兆9408億円に達し、2017年の名目GDP(国内総生産、546兆円)を上回ったことが14日、分かった。
異次元緩和で国債などを大量に購入したのが要因。総資産が通年ベースのGDPを上回るのは初めて。日銀は今後も2%の物価目標達成に
向けて資産購入を続ける方針で、規模はさらに膨らむ見通しだ。
 14日公表された日銀の営業報告によると、総資産は10日現在で7月末から約2兆6000億円増え、異次元緩和前の12年度末から3.3倍に
拡大した。対GDPの割合は米欧の主要中央銀行が最大でも4割程度なのに比べて、日銀は突出。政策の正常化に向かう米欧との違いも際立っている。
 日銀は13年3月に黒田東彦総裁が就任して以降、国債や上場投資信託(ETF)などを大量に買い入れている。7月末の金融政策決定会合でも、
物価目標達成へ粘り強く緩和を継続する姿勢を崩さなかった。
 みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、資産の拡大について「政策の出口のめどもたたない中で緩和が際限なく続いている。
将来の資産縮小は極めて困難になる」と指摘した。(2018/08/14-17:57)
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