中国政府が宗教活動の取り締まりを強化する中、北部・寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)の韋州(Weizhou)で11日に予定されていたモスクの取り壊しが、イスラム系住民らによる抗議デモを受けて延期された。

 中国を一党支配する中国共産党は、国内全土のイスラム教徒を党の規則に従わせようと信教の自由を制限するような動きを進めている。
韋州でも先週、市内の大モスクについて、正式な許可を得ずに改築工事を行ったとして当局から解体を命じる通達が出された。
地元住民らによると、通達には8月10日までにモスクを解体しなければ政府がモスクを取り壊すと書かれていたという。

 モスクの改築は政府もつい先日まで支持していたことから、納得しがたい思いを募らせた住民たちは大モスクの解体期限を目前に控えた9日に抗議行動を開始。
ソーシャルメディアに投稿された映像によると、暴徒鎮圧用の盾を手にした警官らが警戒に立つ中、大モスク前に集結した参加者たちは中国国旗を手にモスク前の階段や広場に座り込んで無言の抗議を行った。その後、参加者たちは金曜夜の礼拝に向かった。

 この映像の信ぴょう性は確認できていないが、飲食店経営者の馬さんはAFPに「政府は違法建築だと言うが、それは違う。このモスクには何百年もの歴史があるんだ」と語った。

 地元住民の話によると、11日正午頃に地元政府の当局者がやって来て、モスク取り壊しを延期するいう政府の文書を読み上げた。この発表を受けて、座り込みデモは解散となった。

 政府資料によると、このモスクは直近の2年間に改築されたが、認可取得の手続きに不行き届きがあっため関係者数人が地元の懲戒委員会から「重大な警告」を受けている。

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