全国の医学部をもつ大学の一般入試で、男子の合格率が女子よりも高い傾向が浮かび上がった。
読売新聞の全国調査に対し、いずれの大学も得点操作を否定したが、医学部が女子にとって
「狭き門」だとの見方は根強い。

 「女子に厳しいとは思っていたが、やはりという感じだ」。今回の調査で男女ごとの全志願者に
対する合格率が男子8・00%、女子6・10%だったことについて、今年複数の医学部を受験して
不合格となった女子予備校生(19)はそう語った。

 全国展開する医学部専門予備校の可児良友講師は例年、予備校の卒業生約800人を
対象に合格状況の調査を実施している。偏差値がほぼ同じ男女各20人が同じ大学を
受験した場合、一部の大学では、男子が15人合格したのに対し、女子は5人だけだったという。

 選抜方法では、国立大は大学入試センター試験、個別学力検査、調査書などを基に総合的に
判定。私大は1次試験で学力試験を課し、2次で小論文と面接などを実施するのが一般的だ。

 東京医科大(東京)は今年の一般入試で、2次の小論文の得点を操作し、女子らの得点を
一律に減点していた。私大医学部6年生の女子学生(24)は受験の際、予備校の講師から
「医学部の入試では面接や小論文で女子の点数を引くところもあり、男子のほうが受かりやすい」
と言われたことがある。この女子学生は「本当にやっていた学校があるなんて驚きだ。
落とされた女子はたまらないだろう」と話す。

 今回の調査では、性別を理由とした得点操作について、無回答だった北里大(東京)のほか、
東京医科大を除く79大学が「該当なし」「一切ない」などと否定した。過去5年で4回、
男女の合格率の格差が大きい10校に入った順天堂大(東京)の担当者は「総合評価で
上位から合格者を出した結果、こうなった」と説明する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180811-OYT1T50117.html