暮らしやすさは上位のはず

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「愛県心最下位」埼玉県民がそれでも自慢したい美点とは?

?海の幸がなく、ブランド牛・豚・鶏もない。有名な温泉地もない。
県外から人が来るのはさいたまスーパーアリーナとアウトレット。
名物は草加せんべいしか思い浮かばない人も多いだろう。
宿泊観光は特に弱く、外国人宿泊客数は全国でもワーストに近い。
埼玉県観光協会は今後、埼玉県をどう盛り上げていこうというのか。

「埼玉には知られざる素晴らしい観光資源がたくさんあります。
城下町の古い街並みが残る小江戸『川越』、関東最強のパワースポットと
いわれる秩父三社がある『秩父』、東日本では唯一舟で川下りができる
渓谷『長瀞(ながとろ)』、これをつないで1泊2日の『埼玉ゴールデンルート』として
今後国内外にPRしていきます。あまり知られていませんが、
秩父には素晴らしい温泉宿が多数あるんですよ」と内田氏は言う。

?その他にも、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録された小川和紙、
関東屈指の広大さを持つ越生(おごせ)梅林(越生町)、日光東照宮を建築した職人が
定住してひな人形の日本一の産地となった「人形のまち岩槻」(さいたま市)、
広大な丘に9種類40万株の芝桜が咲き誇る「羊山公園」(秩父市)など、
“知られざる”見どころは豊富にある。17年には宮沢湖(飯能(はんのう)市)の
湖畔にムーミンのテーマパークがオープンする予定だ。

?そんな埼玉は周辺都県とどう関わっていくべきか。まずは互いに関東ナンバー3の座を
争ってきた犬猿の仲である千葉。かつては千葉が埼玉を、「海がない」とばかにすれば、
埼玉は千葉を「ディズニーランドも国際空港も“東京”と名乗っている」と返してきた。
どちらもライバルは神奈川だと思っているが、神奈川はまったく相手にしていない。

?もっとも「千葉や神奈川をライバル視している時代ではない。両県に比べて観光は
圧倒的に負けているので、圏央道を通じて横のつながりを深めなくては。
20年に向けて1都3県、力を合わせて盛り上げたい」と内田氏。

?今年秋には圏央道の茨城区間が開通する。成田国際空港、
茨城空港に着く外国人観光客を、首都高速道路を通らずに川越や秩父に連れてこられる。
さらに箱根、鎌倉、横浜を巡り、東京ディズニーランドで遊んで成田に帰るといった周遊も可能になった。こうしたルートを今、
アジアで積極的にPRしているという。

?一方、北関東、東北、上信越に対しても、小さな優越感に浸っている場合ではない。
最近の動きでは、富岡製糸場の世界遺産登録や、北陸新幹線の開業によって、
途中にある埼玉が単なる“スルー県”になっている。滞在型の観光地として
打ち出していかなければ足をすくわれかねない。
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