2018年4月より放送されたアニメ『ウマ娘 プリティーダービー』はその名の通り馬、競馬を題材にした作品だ。艦船に動物、
様々なものを美少女化しモチーフとするコンテンツのヒットは近年でも記憶に新しいところだが、競馬は意外にも未開のフィールドだった。

規模が大きく歴史がある馬事文化を元としていることもあってアニメ化の際には不安に思う声も聞かれたが、いざ放送されると細部までこだわった細かな描写や、
史実のレース結果を元にした熱い展開が好評を博し、大きな注目を集める作品となった。

アニメファンのみならず競馬ファンにも響くこの作品の魅力はなんといってもフィクションを織り交ぜながらも史実に基づいた熱いストーリーだ。
長い歴史の中で紡がれた競馬の物語性にフィクションならではのifを盛り込むことで、よりドラマチックな展開を生み出している。

競馬というアニメとは結びつかなそうな文化を題材としながらも、アイドルアニメの文脈やスポ根の要素を踏まえ、
両方のファンを熱狂させるこの作品はどのように生まれたのか。そして全13話の放送を終えたいま、大きな反響をどのように受け止めているのか──。

今回はシリーズ構成をつとめたCygamesのコンテンツプロデューサー・石原章弘さんと、石原さんが「もし伊藤さんがいなかったらアニメは成立しなかった」と語るTOHO animationのプロデューサー・伊藤隼之介さんの対談から、その魅力を紐解いてく。

取材:恩田雄多 文:オグマフミヤ
http://kai-you.net/article/54553