トヨタが国内生産「50万台減」を見据え動き出した!

「石にかじりついてでも日本のモノづくりの競争力を守る」。トヨタ自動車の豊田章男社長がこう宣言したのは、製造業が円高や東日本大震災など“6重苦”にさらされた2011年夏。モノづくりへの危機感が強まる中でトヨタは、
生産子会社を再編しつつ国内生産300万台の維持を宣言した。雇用への責任感から、当時は「理屈上は成り立たない」(豊田社長)異例の措置に踏み切った。

 あれから7年弱。トヨタは現在も国内生産300万台を維持するが、サプライチェーンを取り巻く状況は依然として厳しい。円高こそ落ち着いたが、今度は自動運転などの「CASE」と呼ばれる四つの技術革新が同時に押し寄せ、
既存部品にはさらなるコスト低減圧力がかかる。人口減少を背景に現場の人手不足が進む中、日本の車産業が誇る強固な産業ピラミッドはもはや「風前のともしび」(中部地方のコンサルティング会社)ともいえる。

 こうした状況にサプライヤーは反応する。トヨタグループのある大手メーカーは、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」を見据え、
将来の従業員の減少幅を事業部ごとに予測する。数千人規模の減少に備え、生産現場の自動化とともに人材の高度化に対する投資を戦略的に進める計画を練る。

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