日本を訪れる外国人が増加する中、青森県警が、外国人が事件事故に巻き込まれたり、容疑者として取り調べたりする際に対応する「民間通訳人」を募集している。
現在、対応できるのは9言語と限られており、県警刑事企画課の野里和保次長は「外国人の増加が見込まれる中、多くの人員や言語を確保し、
万全な対応を取っていきたい」として、通訳態勢の強化を図る考えだ。

 同課によると、外国語に堪能な警察官・職員の通訳人は現在23人で、英語、中国語、韓国語など5言語に対応。民間通訳人はこれとは別に26人おり、
タガログ語やベトナム語など全体で9言語に対応している。主に、警察官が外国人の容疑者を取り調べる際や外国人の被害者から話を聞く際に、
外国人と警察官の言葉をそれぞれ訳して伝えている。

(中略)

 過去5年間で、県内で在日外国人や米軍関係者を除く外国人が関わったとされる事件の検挙件数は163件(60人)。増加傾向にはないものの、
「年によって増加する場合もあり、予測できない」(同課)。県によると、昨年に県内を訪れた訪日外国人は約24万人で、5年前の6倍超。東アジアからの
観光客が急速に増えているほか、近年は欧米諸国からも増加傾向にあり、国籍は多様化している。

 こうした状況を背景に、県警の通訳人では対応できないケースもある。2月、八甲田山系の樹氷に落書きしたとしてミャンマー国籍の男が威力業務妨害容疑で
逮捕された事件では、ミャンマー語の通訳人がいなかったため、他県警に通訳人を要請。青森まで来てもらう必要があり、時間などがかかったという。

 県警によると、民間通訳人には、所定の謝礼金と旅費が支払われる。国籍や学歴、職業は不問で、普段は仕事に就いていても構わない。現在は特にタガログ語、
ベトナム語、ポルトガル語ができる人を求めているが、その他の言語も募集しているという。問い合わせは、県警刑事企画課渉外係(017・723・4211)。【岩崎歩】
https://mainichi.jp/articles/20180726/k00/00m/040/043000c