開票結果をみると与党の圧倒的な勝利だった。
最も重要な市・都知事選挙では与党が14ヶ所で勝利し、わずか2か所の勝利に止まった保守野党の自由韓国党を圧倒。
区市郡議長選挙、市・道議会、国会議員補欠選挙、市・道教育監選挙でも一方的な勝利を収め、朴槿恵元大統領の弾劾で瀕死状態にある野党をさらに壊滅状態に追い込んだのだ。

中略

 文大統領の就任後の1年間、韓国の就業率、失業者数、物価上昇率はいずれも、最悪の値となっている。
中でも、政府が積極的に推進した「最低賃金引き上げ」と「労働時間の短縮」は裏目にでたと評価せざるを得ず、青年層の失業率上昇を導いた。

 最低賃金引き上げは、一見、勤労者のための政策に見えるが、高騰する人件費を確保することの出来ない中小企業、
自営業者たちは人員を削減することで対応せざるを得ず、かえって失業者の増加という結果を生んだ。

また、勤務時間を制限する政策は、勤労者の休息を確保するという趣旨は悪くなかったのだが、
勤務時間の減少は残業手当や時間外手当の減少となり、結果的に勤労者の所得減少を招いた。

中略

 ある人は南北間の和解に向かう雰囲気、米朝会談の結果が大きな支持を得た原因だという。
確かに経済状況以外に原因を求めたとすれば、それが最も大きな理由だろう。
だとすれば、韓国人は現実の苦難よりも、未来に対する期待、そして願望から政権を支持したということになる。現在にはない何かを、未来に見出したのだろう。

 だが、その未来は、韓国人の目にしか映りえない未来のようだ。
選挙前日の12日から18日までの韓国の総合株価指数が4日連続下落し、韓国証券取引所では外国人投資家が1兆4630億ウォンの株式を手放したからだ。
つまり、選挙結果を見て不安を感じた外国人投資家たちが韓国株式市場から離脱したのだ。

中略

それは、外国人投資家の目には、韓国人の目に映らない何かが見えているからだろうか。
それとも、外国人の目には見えない蜃気楼を韓国人が見ているからだろうか。

韓国地方選で与党圧勝、韓国人は何を見て票を入れるのか?
崔 碩栄 (ジャーナリスト)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13205
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