https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180617-00000012-gdo-golf
「ルールを戦略的に使っただけ」。そう話すフィル・ミケルソンの行動と、全米ゴルフ協会(USGA)の裁定が波紋を呼んでいる。

ミケルソンは後半13番で下りのパットを打ったあと、小走りでカップを逸れたボールを追い越し、まだ動いているボールをカップに向けて打ち返した。ゴルフ規則14-5より2罰打を受けたが、「罰打と理解した上でやった。喜んで受け入れる」と故意の行動であることを認め、悪びれる様子もなかった。

ミケルソンがホールアウトすると、報道陣がアテストエリア付近の取材スペースに殺到。30分後に姿を現したミケルソンは経緯を述べた。
厳しいコースセッティングで、かりに違反をしなかったらボールは傾斜を転がりグリーンを出ていたという。「早く次のホールにいきたかった。ペナルティの方が良いと判断した」と釈明した。

USGAは全組終了後に会見を開き、マイク・デービスCEOは「ルールに従いペナルティを科した。意図に関係なく動いているボールを打ったので2罰打」と説明。
報道陣からはゴルフ規則33-7に基づく失格の判断も問われたが、「議論で出たが、その規則は非常事態でしか使われない。今回は適用されない」と明言した。

各メディアはミケルソンとUSGAを激しく非難し、米スポーツ専門局のESPNは「棄権して謝るべきだ」との見出しで報道。メディアの批判的な記事を目にしたミケルソンは“最終日は棄権をするべきか”とUSGAに問い合わせたが、「罰打を受けたのだからあすもプレーできる」と返答したという。

この日は午後からグリーンの硬さと風速が増し、3日目終了時点で通算アンダーパーがいなくなる厳しいコースコンディション。14年前に当地で「全米オープン」が開催されたときも、あまりに硬く締められたグリーンは批判の的になった。今年も、ストレスの溜まるセッティングであったことは間違いないだろう。

しかし、動くボールを故意に打つのは前代未聞のことで、スポーツマンシップに背く行為と受け止められても無理はない。
メジャー5勝、ツアー通算43勝を誇る輝かしい実績はもちろんのこと、ファンサービスも超一流で老若男女に愛されるスター選手が起こした行動に、ゴルフ界に大きな衝撃が走っている。(ニューヨーク州サウサンプトン/林洋平)



パンヤじゃないんだから早く次のホール行きたいなんてあるのかねえ。