捜査線上に特殊装具の車 未解決のまま17年の神戸北区・女児遺体発見事件 
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2001年6月、神戸市北区有野町の有野川で、唐櫃小3年の宮崎早紀さん=当時(8)=の遺体が見つかった事件は7日、未解決のまま17年となった。
兵庫県警はひき逃げ(06年に公訴時効)と殺人の両面で捜査。
司法解剖の結果などから金属製パイプなどを加工した「カンガルーバー」という特徴的な装具の車が捜査線上に上がっていたことが、関係者への取材で分かった。県警は7日午前、神戸電鉄岡場駅でビラを配り情報提供を求めた。(杉山雅崇)

■上流の橋から遺棄か

 「お母さんを迎えに行ってくる」。01年6月3日午後10時ごろに自宅を出た早紀さんは、1人で唐櫃台駅に向かった。
ホームをのぞき込む姿や付近を歩くのを、通行人や駅前交番の警察官が見掛けるなど、終電前後の4日午前0時半ごろまでは目撃者があった。

 県警は同日午後に捜索を開始。7日午前8時ごろ、駅北東約2・5キロの川岸で、早紀さんの遺体が浅瀬に打ち上げられているのが見つかった。約300メートル上流にある橋の下の雑木林で、枝に早紀さんの毛髪を発見した。死因は脳挫傷で、4日に死亡したと推定。
県警は固い物による衝撃で即死した早紀さんをこの橋から落としたとみている。

■事件現場、特定できず

 捜査員らが着目したのは早紀さんの外傷。右手首の2カ所の骨折と腰の打撃痕などから、車に衝突した可能性が浮上した。
金属の板やパイプを加工し、オフロード車などの前面に装着されるカンガルーバーの形状が、外傷の状態に一致するという。

 近くに幹線道路があり、県警は千台以上の車をリストアップしたが特定に至っていない。また、カンガルーバーを装着する車は近年、ほとんど見られなくなった。

 遺体発見時、早紀さんは黄色いワンピース姿だったが、自宅を出た時に着ていた緑色のジャンパーや靴は見つかっていない。
「前日までの雨で増水していたこともあり下流まで捜した。容疑者が奪い去った可能性がある」と捜査員は話す。

 06年6月にひき逃げ(業務上過失致死罪)の公訴時効が成立し、県警は殺人事件として捜査している。この日のビラ配りに参加した捜査員は「年々寄せられる情報は少なくなっているが、事件解決のために捜査を続ける」と話した。