関西のある養護老人ホーム(以下、養護)の施設長は、ここ数年の養護の変化をこう語った。

「人生100年時代を迎え、預貯金や年金だけでは生活に窮する人も増え、昔ながらの経済的困窮から養護に来る人が増える一方、
新たなタイプの入所者もいます。親を支えるはずの40代、50代の息子、娘からの経済的虐待を受け、措置される人が明らかに増えています」  
ここ10年の入所者のうち、約4割が家族からの虐待が理由だとこの施設長は話す。21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会の
調査を見ても、虐待が目立つ。

「親の少ない年金を頼りに子どもが生きている。払わなければ手も出したり、家の外のエレベーターホールに追い出したりして、嫌がらせをする。
一方で、もう自分は食べていけないからと、警察署の前に親を捨てていく息子もいました」(施設長)

関東のある軽費老人ホームの施設長は「ここ5年で、経済的虐待が理由で入所してくる人が爆発的に増えました」と話し、こんな現実を明かした。

「施設で受け入れても、親の年金を頼りに暮らしている子どもたちが追いかけてくる。そのため入所後は、新しい名前を名乗ってもらいます。
電話がかかってきても取り次ぎません」

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