佐賀の事故、部品に欠陥か 防衛省が公表へ
毎日新聞2018年5月27日 06時40分
佐賀県神埼市で今年2月に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが民家に墜落した事故で、防衛省は週明けにも事故調査の中間報告を公表する。
同省関係者によると、操縦ミスや部隊での整備ミスは確認されておらず、部品に欠陥があった可能性がある。
同省は地元自治体に幹部を派遣し、調査状況と合わせて佐賀空港(佐賀市)に配備予定の垂直離着陸輸送機オスプレイの安全性も説明し、事故後に中断した配備の調整を再開したい考えだ。
防衛省関係者によると、事故現場で回収されたフライトデータレコーダー(飛行記録装置)からは異常を示す飛行データや音声記録は見つからなかった。機体に突然異変が生じ、操縦士が対応できなかったとみられる。
墜落機は飛行中に主回転翼の4本の羽根と回転軸をつなぐ部品「メインローターヘッド」が破損し、羽根が外れたとみられている。ローターヘッドは事故直前に目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)で交換されていた。
別の同型機で使われていた時に摩耗が見つかったため米国のメーカーで修理した経歴があった。交換時の整備ミスを示すような証言や記録は確認されていないという。
陸自の事故調査委員会は現場周辺で部品を回収。破損したとみられるローターヘッド周辺の部品をある程度特定したが、原因の特定には至っていない。防衛省は訓令で事故調査の報告を原則4カ月と定めるが、期限を延長して調査を続ける。
一方、オスプレイは3月に新編された水陸機動団(長崎県佐世保市)の輸送用として佐賀空港への配備が計画されていた。佐賀県の山口祥義知事は「事故対応が最優先」と受け入れを巡る最終判断を表明しない状態が続いている。
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