生命の「卵」をばらまいて、地球の生命を宇宙に広めよう――高名な科学者の発言が話題を呼んでいる。いずれ人類が宇宙に植民地を築く足がか
りとして、先遣隊として地球の生命を積み込んだ「ノアの卵舟(The Noah's Ark Egg)」を送り込もうというのだ。海外オカルトサイト「Mysterious Universe」が伝えている。

■ノアの卵舟とは?

 宇宙に生命の卵をばら撒こうと提言しているのは、高名な宇宙物理学者フリーマン・ダイソン氏である。今月9日、ダイソン氏は作家のニール・ス
ティーヴンスン氏と米国シアトルで対談を行い、その中でノアの方舟のように地球の生命を積み込み、地球外の惑星に生命を芽吹かせる「卵」のアイデアを披露した。

 フリーマン・ダイソン氏は数学、物理学、量子力学など幅広いフィールドで活躍してノーベル賞候補の一角とされた一方で、恒星を人工の殻で覆っ
てエネルギーを利用する「ダイソン球」や彗星を覆う遺伝子改変植物「ダイソンツリー」、彗星や惑星の物質を餌に進む生きた宇宙船「アストロチキ
ン」など、魅力的なアイデアを多数披露してきた奇才である。94歳という高齢ながら、現在も著作を発表したりトークショーに出演したりと精力的に活動している。

 では、今回提案された「ノアの卵舟」とはどのようなものなのか? ダイソン氏は、微生物から植物、動物まで地球上のさまざまな生物の種子や胚を詰め込んだ、直径数kmもの巨大なダチョウの卵のようなものと説明している。「卵」はロボットや人工知能などあらゆるテクノロジーを駆使して作られており、送り込まれた先の惑星で生命が栄えるようにプログラミングされている。

 ダイソン氏は実際に「卵」を作るにはあと100年はかかり、打ち上げまでには数百万ドルの費用がかかると見ているが、生きた人間を生存のための膨大な物資とともに1000人送り込むコストに比べれば遥かにやすいものだと話す。この「卵」は、いわゆるテラフォーミング(人類が住めるよう惑星を人為的改造すること)のためのパッケージであり、その惑星の住環境が整ったところで地球からの植民を開始するのだ。

http://tocana.jp/2018/05/post_16964_entry_2.html