戦時下の言論統制で作品の発表の場を奪われた江戸川乱歩ら探偵小説作家たちが、海軍省の外郭団体の会報に随筆を寄稿し、戦時中も執筆を続けていたことが、立教大の石川巧教授(日本近代文学)の調査で分かった。26日に東京都内で開かれる日本近代文学会春季大会で発表する。
会報は当局の事前検閲の対象外だったとみられ、作家が一定の自由を得て執筆していたことがうかがえる貴重な資料だ。
乱歩らが寄稿したのは、海軍省の外郭団体「くろがね会」の会報「くろがね」。
乱歩の蔵書や遺品を管理する立教大や、神奈川近代文学館が所蔵していたが、詳細な研究は行われてこなかった。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018052401000656.html
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