ウナギの高値続くか 養殖用稚魚は過去2番目の低水準

この夏の「土用の丑(うし)の日」に向けて、ウナギの高値が続きそうです。先月までの半年間に養殖用となった
ウナギの稚魚、シラスウナギの量は、この時期としては過去2番目に低い水準だったことが、水産庁の調査で
わかりました。

水産庁のまとめによりますと、先月までの半年間に国内の養殖池に入れられたシラスウナギは14トンと、
この時期としては記録が残る平成18年以降、過去2番目に低い水準でした。

このため、ウナギの養殖業者で作る日本養鰻漁業協同組合連合会によりますと、ウナギの取引価格は
1キロ当たり5300円と過去最も高い水準になっているとしています。

水産庁は「この夏のウナギの価格に影響が出る可能性は否定できない。さらに来年まで養殖される稚魚も
あるため、来年以降も高値が続く可能性がある」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180519/k10011445161000.html



★参考ニュース★

結局“絶滅危惧種”ウナギは食べていいのか 水産庁と日本自然保護協会に聞いてみた
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1802/01/news160.html

―― 消費者が購入を控えることに意味はありますか、それとも気にせず購入した方が良いですか。

水産庁:あまり意味はないと思います。ニホンウナギの個体数が減少してきているのは間違いありませんが、
現時点ではその要因が特定されていません。減少の原因の可能性としてあげられているものに、海洋環境の
変動、生息環境の悪化、過剰な漁獲の3つがありますが、原因が過剰な漁獲以外であった場合、仮に禁漁に
しても個体数は増えません。

また、禁漁にすれば養殖業者の多くは事業を続けられなくなるため、ウナギの食文化自体が消えてしまいます。
水産物は持続的に利用してくことが重要なため、原因が特定できていない状態で消費者が購入を控える
必要はないでしょう。

―― 2018年は特に不漁とのことですが、この状態が続いた場合食卓から消える可能性もありえますか。

水産庁:ありえます。ただ、2018年は、例年になく際立った不漁というわけではありません。まず、ウナギは
年によって漁獲量に大きな差があり、安定しない水産物です。また、前年同期比1%という数字についてですが、
これは2017年が非常に特殊だったことを考慮する必要があります。

通常ニホンウナギの漁獲のピークは1月〜2月にかけてですが、2017年は12月〜1月がピークで、2月ごろには
もうあまり捕れなくなっていました。つまり、例年になく早い時期に捕れた2017年の1月と通常の不漁の範囲内の
2018年の1月、両極端に振れた時期同士を比べているため、前年同期比1%という数字が出ています。
また、2018年はこれから多く捕れる可能性もあります。資源自体が減っているとと今年1年間の不漁は、
切り分けて考える必要があるでしょう。

―― ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されていますが、そもそも絶滅危惧種は食べてもいいものなのでしょうか。

水産庁:大丈夫です。「絶滅危惧種」はIUCN(国際自然保護連合)が定めているものであり、特に法的な拘束力はありません。