この度、学術誌「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」に公開された研究により、宇宙人が並行宇宙に存在する可能性があることが判明した。そして、その鍵を握っているのは、「ダークエネルギー」だという。一体どういうことだろうか?


■マルチバース(多元宇宙)

 マルチバース宇宙論では、宇宙がこの宇宙だけでなく、それぞれ独立した宇宙が無数に存在していると考えられている。それぞれの宇宙はそれぞれの物理法則に従っており、この宇宙と同じ物質や法則で成り立っている必要はない。あまりにも不安定な法則のため誕生した瞬間に消滅してしまった宇宙や、重力加速度が9.80665m/s^2ではない宇宙も存在することだろう。

 科学ニュース「Live Science」(5月14日付)によると、これまで科学者は、そのような宇宙が存在するとしても、我々の宇宙のように銀河系が形成され、生命が誕生するほど安定した宇宙が発生するためには、極めて厳しい初期条件が必須となるため、生命体が存在するような並行宇宙も珍しいはずだと考えてきたという。

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画像は「Space.com」より引用
 だが今回の研究で、宇宙のさまざまな初期条件をコンピュータシミュレーションで試してみたところ、安定した宇宙の形成にはそれほど厳密な初期条件は必要ではないことが明らかになったそうだ。ただし、ダークエネルギーの存在を考慮する限りにおいて、という条件付きではあるが。


■ダークエネルギー

 ご存知のように、宇宙はビッグバン以来、膨張し続けていると言われている。誰もが当たり前のように受け入れている“事実”だが、これは極めて奇妙な現象なのだ。

 というのも、時空は重力によって内側に引っ張られているにもかかわらず、宇宙全体の膨張速度は加速度的に上昇しているからだ。普通に考えれば、重力によって時空が収縮するはずであるから、膨張速度は減速すべきだろう。
http://tocana.jp/2018/05/post_16900_entry.html