ネラーさん本当に知らなかったの? 元住民を傷付ける「普天間、人いなかった」発言

米海兵隊トップのネラー司令官が2日の米国防総省での記者会見で「普天間飛行場の建設時(1945年)の写真を見ると、数キロ内に人は住んでいなかった。現在はフェンスまで都市地域が迫っている」と発言した。
「危険になったから名護市辺野古の新基地建設を進める」という意図を持つとみられるが、明らかな誤解、デマだ。
沖縄の施政権を米国が日本へ返還してから46年目の5月15日を前に、普天間飛行場問題を振り返る。(政経部・福元大輔)

◆村役場があり8800人生活

−海兵隊のトップが『普天間飛行場は人の住んでいない所に造った』と言ったんだよね。何が誤解なの?

「人の住んでいない所に造ったわけではないよ。普天間飛行場がある場所には戦前、当時の宜野湾村役場や宜野湾国民学校があり、南北に宜野湾並松(ジノーンナンマチ)と呼ばれた街道が走っていたんだ」

 −人は住んでいたの。

「宜野湾市史によると、沖縄戦前年の1944年、当時の村内に22の字があり、人口は1万3635人だったんだ。
飛行場はそのうちの14字にまたがる宜野湾村の中心地に建設され、その14字には8880人が生活していたよ」

◆ふるさと追われた人の気持ち
 −ネラーさんは知らなかったのかな。

「『人の住んでいない場所に飛行場ができた』という発言は、作家の百田尚樹さんなど、これまでもあったね。
『何もないところに造ったのに周りに人が住んだ。危険だから名護市辺野古へ移設しようとしたら、反対する人がいる』と言いたいんだろうけど、実態とかけ離れているね」

「元住民たちは『ネット情報をうのみにした幼稚な発言だ』
『ふるさとを追われた人の気持ちを知らず、ばかにしている』と非難しているよ」

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/250181
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