2月15日、東京都は大規模地震の「危険度ランク」を4年ぶりに改定し、公表した。これは、都内で震度6強の首都直下地震が発生した場合を想定し、「建物倒壊危険度」と「火災危険度」、さらに「災害時活動困難度」を加味し、
市街化区域5,177カ所における危険度をそれぞれ5段階で評価したものだ。このうち「総合危険度」が最も高い“ランク5”に指定されたのは、全体の1.6%にあたる85地域。地盤が軟弱で、木造住宅が密集している23区東部の下町
に集中していた。今回は、ランク5の中でもとりわけ危険とされた5カ所について地盤、地名、過去の被害状況などを分析し、危険な理由について考えてみたい。


■筆者が住む地域の危険度

 本題に入る前に、まずは筆者自身が暮らしている地域の危険度をお伝えしたい。ちなみに、調査結果は東京都都市整備局のサイト上で公開されており、各区市町の危険度は「区市町別危険度ランク総括表」と題した資料に示されている。

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画像は「東京都都市整備局」より引用
 筆者が住む小平市花小金井6丁目を見ると、建物倒壊危険度が1、火災危険度が2、災害時活動困難度が2、そして総合危険度は2という結果だ。火災危険度が2となった原因だが、築年数が経過した木造住宅が多いことが
影響したかもしれない。小平市内は総合危険度が最大でも3で、最悪レベルの地域ではないようだ。

 これに対して、総合危険度がワースト100位のリストを見ると、すべて23区内であることがわかる。総合危険度が5となった地域も、すべて23区内に集中しており、特に東部で際立っている。では、総合危険度がワースト1位となった地域から順に、その要因がどこにあるのか見ていこう。


危険度ワースト1位:荒川区町屋4丁目

 総合危険度がワースト1位となったのは、荒川区町屋4丁目だ。建物倒壊危険度、火災危険度ともに最大の5である。朝日新聞デジタルの「揺れやすい地盤」というWebサービスでわかる地震時の「揺れやすさの目安(表層地
盤増幅率)」は、「2.37(特に揺れやすい)」。地盤は河口部や海岸線の低地を意味する「三角州・海岸低地」に分類され、主に砂や粘土で構成されていることがわかる。

 縄文時代の日本では「縄文海進」と呼ばれる海水面の上昇が起き、約6千年前のピーク時には現在より5〜20mほど高かったと考えられている(諸説あり)。従って現在の23区の東側はほとんどが海に沈んでいたのだから
、軟弱地盤であることは当然だ。東京都建設局の液状化予測図では、大地震発生時に荒川区全体が液状化の恐れがあることを示している。

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