イスラエルの建国70年を前に、ヤッファ・ベンアリ駐日大使が東京都内で産経新聞のインタビューに応じ
「天然資源に恵まれず、人材への投資で国を発展させたイスラエルの歴史は日本と共通点がある」と指摘。

次の70年に向け、日本との連携の重要性を強調し、イスラエルの優れたIT技術を駆使した協力や観光促進に取り組む姿勢を明らかにした。
一方、米国が制裁の再開を発表したイランを「中東だけではなく、世界の脅威になる」と批判した。(板東和正)

イスラエルは今月14日、1948年の建国から70年を迎える。ナチス・ドイツによる大量虐殺(ホロコースト)から
逃れて生き延びたユダヤ人の母親を持つベンアリ氏は「建国当時、市民の多くはホロコーストの生存者やアラブ諸国からの難民だった」と話した。

サイバーセキュリティーなどのIT分野で成長した70年を振り返り「努力と教育への投資によって、イスラエルは先端技術で
世界のリーダーになった」と評価。「人材育成で国を発展させた歴史は日本と同じで、われわれは相性が良い」と分析した。

近年、両国が科学やサイバー産業で連携を進めていることをあげ「最先端技術で力を合わせれば、米シリコンバレーに
負けない革新を起こせる」と強調。サイバー対策が課題となる2020年の東京五輪・パラリンピックについて「協力できる用意がある」とした。
また、経済や観光での連携を強化するために「両国間の直行便の運航が必要」と訴えた。

一方、両国は「周辺国の脅威にさらされている」状況にも共通点があると指摘。
イランについて「核や弾道ミサイルの開発を進めており、日本も含めた世界が脅威を認識すべきだ」と非難した。
トランプ米大統領が離脱を発表したイランの核合意を「イランの核兵器完成への道を開く悪い合意だった」とした。

トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と認定した件にも触れ「決断を祝う」と支持。
「エルサレムは約3千年前の古代イスラエルの首都で、以来、ユダヤ人の精神的中心地だ。また、建国後も首都だった。
今、認定されなければ中東の和平プロセスの進展は期待できない」と述べた。

https://www.sankei.com/world/news/180511/wor1805110005-n1.html