神室山遭難の女性、スマホ無くし道迷う 余裕ある計画、山岳関係者が呼び掛け

 本県と秋田両県にまたがる神室山(1365メートル)の登山中に遭難し、6日ぶりに救助された仙台市の女性(47)は、自身の位置把握で
頼っていたスマートフォンを無くしたことで道に迷ったとみられることが7日、関係者の話で分かった。さらに、登山届を提出していなかった
ことも捜索に影響した可能性があるようだ。地元の山岳関係者は、無理のない登山計画や万一に備えた登山届の提出を呼び掛けている。

 女性の第1発見者で地元登山ガイドの田中康裕さん(47)=新庄市末広町=が当時の状況などについて説明した。

 女性は、神室山や小又山、天狗森など神室連峰を1泊2日で縦走する行程で、先月29日午前11時半ごろに入山した。道に迷ったのは、
下山途中の30日夕だった。行程最終盤の西火打岳付近でスマホを紛失。現場付近は登山道が残雪で覆われてルートを見失いやすく、
別方向へ進んでしまったとみられる。

 遭難後、女性は岩陰に入って雨風をしのぎ、ツエルト(簡易テント)などを身にまいて体力の消耗を防いだ。持っていた食料は限られ、
雪をバーナーで溶かして水を作ったが、ガスが切れてからは沢の水を飲んでいたという。3、4両日は悪天候に見舞われ、5日に一度斜面を下って、
再び戻ってきた際に捜索隊から発見された。

 田中さんは「登山時には余裕を持った行動計画を立てることが肝心だ」と指摘し、「遅くとも午後3時まで目的地に着けるスケジュールにすべきだ」とする。
また、道に迷った場合は、むやみに先へ進まず、自分の現在地が確認できる場所まで引き返すことが大切という。
http://yamagata-np.jp/news/201805/08/kj_2018050800148.php