40年以上前のタイムカプセル、どこ? 3度目の発掘へ

三重県伊賀市上野愛宕町の自治会が地元の愛宕神社境内に40年以上前に埋めたものの、掘り起こしの
失敗を繰り返しているタイムカプセルについて、自治会は今秋にも3回目の発掘作業を行うことを決めた。
4月8日に2回目の作業で失敗した際は、「後生に託す」としていたが、お年寄りらから「生きているうちに見たい」という
要望が相次ぎ、三たび挑戦することにした。

カプセルは、昨年に自治会の会合で話題に上がった時は、埋設目的や時期もはっきりしなかった。
「50年前だ」「竹下内閣がばらまいてくれた『ふるさと創生1億円』を使った30年ぐらい前」などと臆測だらけだった。
その後、地元宅に残っていた文書から、昭和天皇の在位50年を記念して1976年に埋めたことがわかった。

図面によると、コンクリート管を埋めて、その中に壺(つぼ)を入れたことになっている。ただ、3、4月の二度にわたる
掘り起こし作業では、当時の物とみられる酒カップや菓子袋などが出土し、コンクリート管は見つかって人の背丈ほど
掘ったものの、壺はなかった。いったんは「当初の100年後を考えて58年後に掘り出してもらおう」とした。

ただ、お年寄りらから「やはり見たい」と要望が相次いだ。記録では「地下約2メートルにコンクリート管を置き…」とある。
地表そばにあった管にはビニールシートが貼られていたので、「出てきたのは防水用で、2メートルほど下にさらに
もう一つ管があるかも」とみる。自治会では神社の工事にあわせた今秋に「最終決着をつける」ことにした。

最近さらに見つかった文書によると、写真や寄せ書き、商店の売り出し広告などが埋められている模様で、
「不開壺」との記述もある。「開壺人は誰で、どんな気持ちでされるかはそれはわかりませんが、収納物が変質変化なく
原姿のままで保存されることは確実です」などと記されている。

自治会幹部は「あるなしも含めて今度こそ白黒をはっきりさせる」。重機のオペレーターなど協力者や作業に充てる
寄付金も募っている。

https://www.asahi.com/articles/images/AS20180505001143_comm.jpg
地面の中に見つかったコンクリート管=2018年4月8日午後1時20分、三重県伊賀市上野愛宕町
https://www.asahi.com/articles/images/AS20180505001140_comm.jpg
カプセルを埋めた状況を示す図面
https://www.asahi.com/articles/images/AS20180505001141_comm.jpg
住民宅で新たに見つかった文書。「不開壺」と記されている

https://www.asahi.com/articles/ASL4V3381L4VONFB005.html