同僚女性の自宅の鍵を盗み、生活をのぞく目的で21回侵入したとして窃盗と住居侵入の罪に問われた
元京都地検宮津支部副検事、平綱浩貴被告(44)の初公判が27日、京都地裁(石井寛裁判官)であった。
平綱被告は起訴内容を認め、検察側は懲役2年6月を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は5月11日。

起訴状などによると、平綱被告は今年1月24日、事情聴取に行くため乗った京都丹後鉄道の普通列車が網野駅(京丹後市)に停車中、
同行していた検察事務官の女性が手提げかばんを置いて席を離れた隙(すき)にキーケースを盗み、
同日夜から2月23日まで21回、女性宅に侵入したとしている。
女性が室内に設置したカメラの映像には平綱被告が下着のにおいをかいだりする様子が映っていた。

論告で検察側は「短期間に繰り返し侵入し、常習的で執拗(しつよう)かつ陰湿。
犯罪被害者の声に耳を傾ける検察官の職にあり、社会に与える影響が大きい」と指摘。
弁護側は「被害者と和解が成立し、懲戒免職処分を受けるなど社会的制裁を十分に受けている。
真摯(しんし)に反省し、再犯のおそれは少ない」と情状酌量を求めた。

平綱被告は被告人質問で「被害者の私生活をのぞき見たいと思った」と述べた。
検察官に「副検事として被害者保護に当たりながら、初めて侵入する時に自分が被害者を生み出すという意識はなかったのか」と問われると、
「その時はそういう思いを忘れてしまった」と回答。
石井裁判官からも「何がしたかったのかイマイチ分からない」「気持ち悪いことをしていると思わなかった?」とただされ、
言葉に詰まりながら「何を身につけ、何を食べているのか、興味を持ってしまった」などと弁解した。【澤木政輝】

http://mainichi.jp/articles/20180428/k00/00e/040/275000c