東京駅の自販機で「売り切れ」続々発生も「頑張れ!」「もっとやれ」の声 背景にサントリーグループの残業代未払い問題
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180419-00000058-it_nlab-bus_all
東京駅構内の自動販売機で現在「売り切れ」が続々と発生中――というツイートが話題になっています。
ツイートを投稿したのは「ブラック企業ユニオン」に所属する坂倉昇平さん。「売り切れ続出」の背景には、サントリーのグループ企業「ジャパンビバレッジ東京」の残業代未払い問題がありました。



 同社ではこれまで、外回りの営業社員に対し「事業場外みなし労働時間制」を適用しており、営業の社員が外回りで何時間働いても実際の給料は「7.5時間分」しか支払われない仕組みになっていました。
しかし商品の補充や棚卸し、賞味期限の管理といった業務は非常に時間がかかり、7.5時間で終わることはほぼなく、実際には10〜12時間の労働が当たり前になっていたといいます。
また本来それぞれの業務には厳密なマニュアルがありますが、過密労働のため現場では無視されることも多かったそうです。

 こうした実情を踏まえ、「休憩1時間取得」「残業拒否」「マニュアルの厳守」を徹底しようというのが今回の取り組み(ジャパンビバレッジ東京に勤務するブラック企業ユニオン組合員14人が参加)。
いずれもごく当たり前のことに見えますが、皮肉にもこの「当たり前」を徹底したことによって、自販機への供給が追い付かなくなり、売り切れが相次いでいる――というのが現在の状況のようです。

 ブラック企業ユニオン側に取材したところ、実は12月の時点で労働基準監督署からジャパンビバレッジに対し是正勧告が出ていたものの、
ジャパンビバレッジ側はその後、「未払いの残業代を支払う」のではなく、それとは別の「少額の金銭を支払う」という形で事態を収めようとしていたとのこと。
また今回の動きを主導した一部の社員を懲戒処分にしようとする動きもあり、こうした背景を踏まえて今回の“順法闘争”に踏み切ったとしています。