「長崎新幹線、全線フル規格で早期整備を」
JR九州社長が与党検討委員会に要望
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JR九州の青柳俊彦社長は2018年4月18日(水)、長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)の
計画について、最も整備効果を発揮する全線フル規格を要望するとの意見を表明しました。
同日、長崎新幹線に関する与党検討委員会が開催。そこで青柳社長が、
3月30日(金)に国土交通省が公表した検討結果についての考えを示しました。

長崎新幹線は、在来線と新幹線を直通できるフリーゲージトレイン
(軌間可変電車、FGT)の開発が難航していることから、武雄温泉駅で在来線の列車から
長崎行きの新幹線に乗り継ぐ形で、2022年度に武雄温泉〜長崎間が開業する計画です。

今回の国土交通省の検討は、(1)FGTを導入する場合、(2)フル規格の新幹線で
整備する場合、(3)ミニ新幹線で整備する場合――の3通りで比較。
結果、FGTは2027年度に導入できる見込みであるものの、
その場合の収支改善効果は年平均で約20億円のマイナスに。
一方、フル規格の場合、FGTによる整備以降に約5300億円の費用を要しますが、
収支改善効果は年平均で約88億円に上るとの試算が示されました。

この結果を受け青柳社長は、FGTによる長崎新幹線の運営は困難であると改めて表明。
ミニ新幹線についても、工事期間中や開業後に在来線列車で
所要時間の増加や減便などが生じ多くの利用者に不便を掛けること、
踏切事故や大雨などでダイヤの安定性が劣ることなどから、
解決すべき課題があるとの認識を示しました。

フル規格は、最も整備効果を発揮し、西九州地域全体の発展をもたらすものとし、
また、九州新幹線(博多〜鹿児島中央)の運営実績もあることから
大きな課題はないとの考えを表明。整備効果を高めるため、
地域の魅力をアピールする観光列車(D&S列車)の運行も検討していくとしています。