大谷翔平 全米で人気沸騰中は嘘

しかし、このアメリカでの人気、本当なの?そこで、地元の人間に訊いてみた。

結論から先に言ってしまえば全体的にはウソ、限定的には本当だ。

まずウソから考えてみよう。こうした「人気沸騰」という現状を日本のマスメディアは、アメリカのでの野球人気を無根拠に日本のそれと同じとみなしてところにある。つまり全国的に人気がある。

ところがアメリカでは野球は、もはやそんなに人気の高いものではない。アメリカ人にとって一番人気はもちろんアメフト、二番目は大学のアメフト、三番目はバスケット。
野球はグッと下がってその次の次くらいといったところだろう。だから、一般には大谷のことはほとんど知られていない。
アメリカは多民族国家でそれぞれの嗜好も多様だ。そして人口も3億2000万強で日本の2.5倍。しかも国家もだだっ広い(カリフォルニア州だけでも日本より大きい)。

だから、日本人みたいに国民一丸となってスポーツを楽しむというのはほとんどない(スーパーボウルを除いては。これもハロウィーンやクリスマスみたいな“年中行事”的な位置づけだけれど)。もちろん、オリンピックにしてもさしたる関心を持っていない。

たとえばドジャースであっても、それに関心のない南カリフォルニアンにはどうでもいい存在だ。より限定的な話をすると、先の平昌オリンピック・スノーボード女子ハーフパイプで活躍した
韓国系アメリカ人クロエ・キムはロサンゼルス南の都市トーランス出身だが、彼女が金メダルを獲得してもトーランスで記念式典やパレードが催されることはなかった(日本は必ず開催する)。

さて大谷である。ロサンゼルス・エンゼルス所属だが、ホームグランドはロサンゼルスから高速で南に40分ほど下ったアナハイムにある。

大谷が暮らすアパートはさらに南のアーバインだが、どちらでも大谷フィーバーが起きているといることはないらしい。つまり、扱いはクロエ・キムと同じなのだ。というか、これがアメリカ人の関心の持ち方なのだ。まずは個人主義。

しかし、日本では、大谷は「アメリカ中を震撼させている」ことになっている。そして、それを傍証する報道やスタジアムでの熱狂が伝えられている。いったい、これはどうしたことか。

続く
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