イラクの日報問題に揺れる自衛隊で、また信じられない出来事です。「お前は国民の敵だ」。16日夜、現役の幹部自衛官が野党の国会議員に暴言を浴びせていたことが分かりました。

 陸上自衛隊のイラク日報問題などが議論されていた参議院の外交防衛委員会。民進党の小西参院議員が16日夜、こんなことがあったと明らかにしました。

 「参議院の議員会館を出て、すぐのところ、国会議事堂の目の前の公道の場で、現職の自衛隊員と名乗る者から“お前は国民の敵だ”などと繰り返し罵声を受けました」(民進党 小西洋之 参院議員)

 自衛官はジョギングの途中だったということで、小西議員に気がつくと、「お前は国民の敵だ」「お前の国会の活動は気持ち悪い」などと繰り返し罵倒したということです。
防衛省などによると、暴言を浴びせたのは統合幕僚監部の30代の3等空佐だったことが分かりました。小西議員は連日のように国会で日報問題などを追及し、安倍内閣の総辞職を要求していました。

 「私どもとしては、もし仮にそういうことがあれば自衛隊員の服務の問題になるので、事実関係を確認したうえで適正に対応する」(小野寺五典 防衛相)

 自衛隊員は自衛隊法で政治的行為が制限されているほか、自衛隊員の品位を傷つける行為などを行った場合には、懲戒処分の対象となります。自衛隊制服組のトップ、
河野統幕長は小西議員に謝罪した上で、「自衛官としてあるまじき行為」と述べました。

 「自衛官としてあるまじき行為だと大変遺憾に思っております。自衛官が国民の代表である国会議員に対して、暴言とも受け取れるような発言をしたということは大問題」(防衛省 河野克俊 統幕長)

 一方、野党側は、16日に公開されたイラクの日報の中に「戦闘」の文字が少なくとも6か所に記載されていたことについて、自衛隊の活動地域が「非戦闘地域」だったのか質しました。

 「公表された日報には『戦闘』との記述が何か所か確認されているわけですが、このイラクへの派遣がイラク復興支援特措法に基づいた『非戦闘地域』
に限定した活動だったという認識に変わりはありませんか」(民進党 牧山弘恵 参院議員)

 「自衛隊が活動した地域は、いわゆる『非戦闘地域』の要件を満たしていた。イラク特措法に基づき、自衛隊の活動が行われた認識は変わりません」(小野寺五典 防衛相)

 小野寺防衛大臣は改めて、これまでの政府見解との齟齬(そご)は無いとの考えを示しています。自衛隊の文民統制、いわゆるシビリアンコントロールが問われる中
、日報問題に続く幹部自衛官の暴言に防衛省は揺れています。(17日17:19)https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20180417-00000060-jnn-pol