【ワシントン高本耕太、カイロ篠田航一、ニューヨーク國枝すみれ】
シリアの首都ダマスカス近郊での化学兵器使用疑惑を受け、米英仏3カ国は13日、シリアのアサド政権への軍事攻撃を実施した。
トランプ米大統領はホワイトハウスで演説し、シリアの化学兵器関連施設を標的にしたピンポイント(精密)攻撃を命令したと発表した。
「3カ国は残忍な蛮行に対する正義の力を行使した」と述べ、「シリア政権が化学兵器使用をやめない限り、対抗手段をとり続ける用意がある」と警告した。
国防総省の発表によるとシリアへの攻撃は現地時間14日午前4時に開始された。
標的は、ダマスカスの化学兵器研究開発拠点▽中部ホムスの貯蔵施設▽ホムスの化学兵器作戦の司令部−−の3カ所。
シリア国内に駐留するロシア軍に対し攻撃前の対象の通知はなかったという。記者会見したダンフォード統合参謀本部議長は「標的は破壊された」と述べた。
今回の攻撃は、国連安全保障理事会決議や米国議会の承認を経ていないが、トランプ氏は演説で攻撃は「化学兵器の製造と拡散、使用を抑止する行動だ」と指摘、
「抑止力の確立は米国の死活的国益に直結する」と強調した。
また、アサド政権を支援するロシアに対しては「2013年にシリアの化学兵器全廃を保証していた」と指摘。
「アサド政権の化学兵器使用と今日の報復措置は、ロシアによる失敗の結果だ」と非難した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180414-00000029-mai-int