4月10日は『交通事故死ゼロを目指す日』 娘の命を突然奪われた父の訴え
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20180410-00083823/

「本日4月10日は、『交通事故死ゼロを目指す日』です。平成20年より春の全国交通安全運動の中に設けられた国民運動ですが、最近はほとんど認知されていない状態です」

 午前中に届いたそのメールを見て、はっとしました。

 差出人は、東京の佐藤清志さん(54)。

 今から15年前、6歳のご長女を亡くされた遺族です。

 佐藤さんは訴えます。

「最近は交通事故死者数が減ってきたと報じられています。しかし、統計の記録が残る1968年(昭和43年)以降、日本で交通死亡事故が発生しなかった日は1日もありません。
これは、日本のどこかで、毎日、誰かが亡くなっているということ。この現実を、ぜひ多くの方に改めて認識していただければと思うのです」

突然断ち切られる家族の絆
 佐藤さんの長女・菜緒ちゃんが被害に遭ったのは、2003年5月24日のことでした。この日、菜緒ちゃんは自転車に乗り、青信号で横断歩道を渡っていました。そのとき、左後方からダンプカーが停止せずに左折してきたのです。

「菜緒の身体は大きなダブルタイヤに自転車もろとも踏みつぶされ、ダンプはそのまま100メートル進んで、目撃者の制止によってようやく止まりました。
警察から知らせを受け、私が駆け付けたときには、もう、菜緒の可愛い顔を見ることはできませんでした。
唯一原形をとどめていたのは、小さな手のひらだけです。でも、その手を握った瞬間、すぐにわかりました。いつも手をつないで散歩した、あの菜緒の手だと……」