今年1月に自殺した評論家、西部邁(すすむ)さん(当時78歳)の自殺を手助けしたとして、警視庁捜査1課は5日、埼玉県上尾市富士見2、会社員、青山忠司(54)と東京都江東区福住1、会社員、窪田哲学(45)の両容疑者を自殺ほう助容疑で逮捕した。
両容疑者は容疑を認めており、窪田容疑者は「先生の死生観を尊重して力になりたかった」と供述しているという。同課によると、青山容疑者は西部さんが主宰する塾の塾頭をしていたことがあり、窪田容疑者は西部さんが出演していた東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の子会社の番組担当者だった。

 ◇窪田容疑者 熱心な「信者」

 「口数が少なくて穏やかだが、内に熱いものを秘めている人だと思っていた」。西部さんが自殺直前に訪れていた新宿区のバーのママは、
窪田容疑者の印象をそう振り返る。西部さんと窪田容疑者は1カ月に1度は他の仲間と連れ立って来店する常連だった。

 MXの関係者によると、窪田容疑者は局内でも「西部さんの熱心な信者」として知られ、討論番組「西部邁ゼミナール」を担当していた。
番組には青山容疑者がゲスト出演することもあった。この関係者は「追悼番組も3月31日に放映したばかりだった。番組製作に携わるスタッフが事件を起こしていたことが信じられない」と話した。

 西部さんは最近の著書で「これまでに3度自死の準備に取り組んだが、予期不可能な事態で頓挫した」などと語っていた。捜査1課によると、
窪田容疑者が自殺に使われたハーネスを用意し、青山容疑者がレンタカーを借りたという。【神保圭作】
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