違和感に気が付いた入社式の言葉
http://bunshun.jp/articles/-/6796

 私は5年ほど前に就職活動を経験し、大学を卒業したのちに、とある商社に入社しました。リーマンショック後の
「氷河期」だったこともあり、就職活動は非常に厳しく、面接を何十社も受けてようやく手にした内定でした。
しかし入社してみると、その会社はいわゆる「ブラック企業」と呼ばれるものだったのです。

労働時間は長時間に及び、休日も関係なく出社することを強要されたにもかかわらず、残業代も手当も出ませんでした。
もちろん、「有給」取得も許されません。どうしても有給を消化するのであれば、給与から1日あたり5000円を差し引かれます。
「あれ、有給ってなんだろう」って感じじゃないですか。「これは何の5000円ですか」と経理の人間に尋ねても、
明確な答えは返ってきませんでした。

「ブラック企業に入社してしまった」。入社して1週間も経つ頃には、先輩社員との会話や社内に漂う空気感から、そう確信しました。
今思えば、入社式の日に初めて会長と顔を合わせた時には、すでに違和感に気が付いていたかもしれません。
「今の社長が辞めることが決まって、退職金を払わないといけなくなった。だから、お前らのためにお金を使うわけに行かねえんだよ」
 入社初日に会長が発した衝撃的な言葉によって、「ここは普通の会社ではない」と凍りついたのです。