仏ルノーと日産自動車は合併し、統合後の新会社を上場する可能性について協議している。
事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  非公開情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、実現すれば、
日産・ルノー連合は解消され、単一の法人となる。ルノーと日産自は株式を現在持ち合い、
ルノーは日産自の株式の43%、日産自はルノー株の15%を保有する。関係者によると、
両社の会長を務めるカルロス・ゴーン氏が交渉を推進しており、統合後の新会社を率いる見通し。

  関係者によれば、基本的にルノーの株主が新会社の株式を受け取り、日産自の株主も
持ち株と新会社の株を交換する合併案が検討されている。日本とフランスにある本社は、
いずれも存続する可能性がある。

  ルノー株は29日、一時8.3%高と急伸。日中取引ベースで10年余りでの最高値を付けた。
パリ時間午前9時18分現在は6%高。時価総額は292億ユーロ(約3兆8300億円)となる。
日産自の株価は過去1年で約2%下げ、時価総額は4兆6000億円となっている。

  一方、合意の成立は難航する可能性があると関係者らは指摘。フランス政府はルノー株15%を
保有しており、経営への影響力を放棄することや持ち分の縮小をためらうこともあり得る。
関係者によると、合併は日仏両国政府の承認を得る必要があり、新会社の本拠地をどこに定めるかを巡り、
両国がそれぞれの立場を強く主張することも予想される。

  フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)がイタリアと米国の本社オフィスを維持しつつ、
会社登記を行っているオランダ、あるいはロンドンに本拠地を置くことも一つの選択肢となり得るだろう。

  関係者によれば、最終決定には至っておらず、数カ月続く交渉が妥結しない可能性もある。
日産・ルノー連合の広報担当者は、うわさや臆測にはコメントしないと述べた。
仏財務省の報道官もコメントを控えた。日産自とルノーそれぞれの広報担当もコメントを避けた。

  ゴーン氏は今年2月の段階で、日産・ルノーの「アライアンスを後戻り不可能にする」計画を
策定すると述べ、連合を強化する意向を示していた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-29/P6BYKG6KLVR401