住宅値の上昇に伴って、オーストラリアの各州、準州、特別地域の都市部において、過去10年間の若年層ホームレスの人口が急激に増加している。

オーストラリアの公共放送局ABC放送の、若者向けのラジオ放送局であるJJJが、豪政府統計局(ABS)による国勢調査の最新の情報を報道した。

2006年から2016年までの10年間における、19歳から24歳までの若年層のホームレス人口の増加率は、以下の通りとなっている。

NSW(ニューサウスウェールズ州)+117%、VIC(ビクトリア州)+66%、QLD(クイーンズランド州)+13%、SA(南オーストラリア州)+23%、WA(西オーストラリア州)+2%、
TAS(タスマニア州)+71%、NT(ノーザンテリトリー準州)-15%、ACT(オーストラリア首都特別地域)+64%、豪全土+46%。

一方、2011年9月から2017年9月までの6年間における、各地域の住宅不動産価格の平均上昇率は、NSW+65%、VIC+44%、QLD+17%、SA+17%、WA0%、
TAS+21%、NT-16%、ACT+22%、豪全土+39%となっている。

オーストラリア最大の都市であるシドニーを州都とするNSW(ニューサウスウェールズ州)や、オーストラリア第二の都市メルボルンを州都とするVIC
(ビクトリア州)において、上昇率は特に高い数値を示している。

また、各地域のホームレス人口の増加率と住宅不動産価格の平均上昇率の数値に高い類似性があることから、両者のデータに相関関係があることが
見受けられる形だ。

(中略)

ホームレス全体の人口が増加しているだけでなく、若年層のホームレスの人口比も上昇しているのが現状だ。ホームレス人口の5人のうち2人までが
25歳未満の年齢で、これは1万人あたり62人から72人の割合になっている。

NSW(ニューサウスウェールズ州)のホームレス人口は全体で70%増えているが、25歳未満のホームレス人口では117%の数値で増加している。

ケビン・ラッド首相による当時のオーストラリア与党である労働党連邦政権は、2020年までに全土のホームレス人口を半減することを約束したが、
2013年のトニー・アボット首相の自由党への政権交代もあり、ホームレス人口は未だ増加しているのが現状だ。
https://ja.sekaiproperty.com/news/2333/homeless-population-of-young-people-increases-due-to-price-increase-in-australia