北朝鮮、シリアに化学兵器の製造部品を提供=国連報告書

2/28(水) 12:20配信

BBC News

北朝鮮が化学兵器の製造に使用できる部品をシリアに提供していると、国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが報告書をまとめたことが27日、明らかになった。米メディア各社が報じた。

提供された部品には、耐酸性のタイルやバルブ、パイプが含まれるという。

米紙ニューヨーク・タイムズによると、国連報告書は北朝鮮のミサイル専門家らがシリアの武器製造施設にいたと指摘している。報告書は現時点で未公表。

シリアでは2月末、首都ダマスカス近郊にある反体制派拠点の東グータで、政権軍が塩素ガスを攻撃に使用したとの指摘が出ているが、政権は否定している。

北朝鮮は、国連安全保障理事会の決議に違反し核・ミサイル開発を続けていることから、各国から制裁措置を受けている。

北朝鮮からシリアに非合法的に運ばれた物資は、耐熱・耐酸性タイルや耐食バルブ、温度計などで、タイルは化学兵器が製造された施設の建設に使われたとされる。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2016年末から17年初頭にかけ、北朝鮮は中国の貿易会社を通じて5回にわたりシリアに物資を送っている。物資の搬送は数年間で何十回にも及んだとみられている。

同紙は、シリア政府の科学調査研究センター(SSRC)が多数のフロント(隠れみの)企業を使い、北朝鮮に対価を支払っていたと指摘した。

今回の国連報告書は、米紙ワシントン・ポストも同様に確認している。

すでに公表済みの2017年9月の報告書で専門家パネルは、シリアと北朝鮮が「禁止された化学兵器、弾道ミサイルおよび通常兵器で協力しているとの情報について調査している」と述べていた。

当時の報告書は、国連加盟2カ国が押収したシリア向けの積み荷が、北朝鮮の主な武器輸出組織とSSRCのフロント企業による取引の一部ではないかとと、疑念を指摘していた。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180228-00050031-yom-int