女性が自らの口で男性器を刺激するフェラチオは、今や前戯のスタンダードとして世界中で嗜まれているが、古代エジプトの神話では「復活の儀式」として確認できる。

 神話によると、神オシリスは嫉妬した弟のセトによって殺され、切り刻まれてしまう。オシリスの妻で妹でもあった女神イシスは、バラバラになった夫を集めて元通りにしようと試みるが、男性器だけが見当たらず、とりあえず人工ペニスをくっつけてみたが、ピクリともしない。そこで彼女は生気を吹き込むべく、人工ペニスにフェラをしたと伝えられている。

 オシリスの前にひざまづいた女神イシスが男根をくわえ込む姿は、『死者の書』(大英博物館所蔵)のパピルスにも描かれている。
 もともと古代ローマやギリシアでは、フェラチオはふしだらな行為とされており、娼婦たちが得意としていたという。

 だが、古代エジプト最後の女王・クレオパトラがフェラ上手だったという話がある。といっても、100人の護衛たちにフェラ奉仕してコントロールしたとか、古代ローマの英雄カエサルをフェラで尽くしで籠絡して愛人にさせたとか、眉唾なものばかり。

 時間と労力を考えれば、それがどれだけ非現実的であるかは明らかだ。鼻の高さで有名なクレオパトラだけに、フェラしながら同時に鼻を使う特殊テクニックを持っていたなら話は別だが…。ちなみにフェラチオの語源はラテン語の「fellare」(吸うの意)に由来する。古代エジプトの王の称号「ファラオ(Pharaoh)」とは無関係なので、あしからず。

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