ムーミンと並ぶフィンランドの人気日本アニメ「銀牙」そのワケは…

(中略)
「流れ星 銀」は「熊犬」と呼ばれる狩猟犬の「銀」が主役。
奥羽山脈の暴れ熊「赤カブト」を倒すため“努力・友情・勝利”を重ねる。
アニメ化もされ、北欧を中心とするヨーロッパやアジアでも放送された。

高橋氏によると「中でもフィンランドの銀牙人気は日本以上」。
現地のファンクラブに何度か招かれたそうで「熱狂的なファンがいる」そうだ。
同国版コミックは続編も発売され続け、なんとミュージカル化もされた。

それにしても、なぜフィンランドで「銀牙」がヒットしたのか?

高橋氏は「フィンランドでは、ムーミンと銀牙くらいしかアニメ放送がなかったらしい。
毎年のように流し、子どもたちの心に刷り込まれちゃったようだ」と笑って話した。

もちろん、これは冗談と謙遜が入ったもので、理由はまだある。
「実はフィンランドには、銀と同じ秋田犬に似た犬がいて、
銀のように熊狩りの際に活躍していたらしい」という。
調べてみると同国原産の「カレリアン・ベア・ドッグ(カレリア犬)」のようだ。

カレリア犬は近年日本でも秘かに注目されている犬種。長野県軽井沢町では、
里に降りてきた熊を傷つけずに山に追い返す“ベア・ドッグ”として
飼う取り組みが行われている。
その活躍は、熊が人間の生活圏に頻繁に出没するようになった各地の自治体などにとって、
救いの一手となる可能性もある。

両国の景色が似ていることが、人気の秘密という説もある。
高橋氏は現地のファンから「銀牙を読むと、懐かしい感じがする。
奥羽山脈とフィンランドの森が似ているのかもしれない」と聞いたという。
日本もフィンランドも、世界トップ級の森林大国。ともに国土の7割が森林だ。

ほかにも、熊の「赤カブト」を隣国ロシアに見立てて感情移入しているとの分析もある。
フィンランドには、大国ロシアの脅威にさらされてきた歴史がある。

2018年2月16日 10:45
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/02/16/kiji/20180215s00041000488000c.html