改革の痛み 役員にも NEC新野社長「ゆるさ」排除

かつて半導体で世界を席巻し、携帯電話やパソコンでも存在感を放ったNECが迷走している。
1月末に3千人のリストラを含む中期経営計画を発表。収益の柱に育てるとしたエネルギー事業の
一部撤退を決める一方、セキュリティー事業での海外開拓を成長の核に位置づけた。

NECはどこに向かうのか。
製品展示会のためタイを訪れた新野隆社長兼最高経営責任者(CEO)に聞いた。

(略)

――どのように構造改革を進めますか。

「黒字化できない、成長しない事業は撤退、縮小、売却を考えていく。最低で(事業の)営業利益率が
5%以上でなければいけない。利益率が1〜2%のものが全体の足を引っ張るのはまずい」

(略)

――新中計に「経営の責任を明確にする」という表現があります。

「50人近い執行役員がいるが、ミッションを達成できなくても降格せず、クビにもならない。これからは
できなければ責任をとる。NECにはゆるい、優しい制度が残っている。もっともっと厳しい会社に
ならなければならない。痛みをともなうかもしれないが、まず経営層がやっていく」

――30年のNECの理想の姿は。

「ニッチでも断トツの技術を持つ領域に磨きをかけて勝負していく。売上高は3兆円以上、海外比率も
40〜50%に近づける。世界で安心安全といえばNECと評価されるのが理想だ。顔認証の精度が
世界一という評価はようやく広まってきた」


https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2677944009022018EA6000/