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草津白根山(群馬、長野県境)の本白根山の噴火から一夜明けた24日。多数の死傷者が出て
営業を取りやめていた草津国際スキー場(群馬県草津町)は、被害のなかったふもとのゲレンデで
営業を再開し、午前8時半からリフトも動き始めた。だが、スキー客はまばらだった。
町は全国有数の温泉地で、昨年6月に白根山の「湯釜」付近の噴火警戒レベルが「2」から「1」に
下がった直後の噴火活動に驚きと戸惑いを隠せず、観光への影響を危惧する。

◇スキー場

「いつもに比べたらオープン時の客が全然いない。ちょっと悲しい」。草津町の会社員、山田春貴さん(30)は
同日午前9時ごろ、草津国際スキー場のふもとのゲレンデで寂しげな表情を見せた。週に1回のペースで
同スキー場に来ているという山田さんは「みんなほかのスキー場に行ってしまうのではないか。
草津離れが多くなるのでは……」と不安そうに話した。

◇ホテル・旅館

「一番怖いのは風評被害」。草津温泉街の中心「湯畑」近くにある創業300年のホテル「一井(いちい)」は、
23日に約100件の問い合わせがあり、「噴火した付近からは7キロ離れているので安心」との説明に追われたという。
女将の市川薫さん(71)は「キャンセルが相次ぐのかと心配したが、今のところは特に影響は出ていない」としつつも、
「噴火警戒レベルが下がって喜んでいたのに……」と困惑を隠さない。

◇草津町

草津町総務課によると、23日の噴火以降、「行っても大丈夫か」といった問い合わせが数十件入っており、
「温泉街周辺は安全です」と答えているという。町総務課の篠原誠課長補佐は「噴火警戒レベルが1になった時は
観光客が増えるという期待があったが、今回の噴火でスキー客が減少するのは仕方がない」と話す。そのうえで
「(山頂に通じる道路の)冬季閉鎖が終わるのは4月中旬。まだ時間はあるので本白根の状況を確認して対策を考えたい」と話した。

黒岩信忠町長が「草津温泉で食っている」と言うように草津は観光業中心の町。草津温泉観光協会の担当者も、
風評被害を懸念する。23日は米国や台湾など各国の報道機関から問い合わせがあったという。