アジア時価総額、中国企業が躍進IT、金融が存在感
上位50社ランキング
2018年1月10日 16:40

2017年末時点でアジア企業の時価総額をランキングしたところ、上位50社のうち約6割に当たる28社を中国企業が占めた。騰訊控股(テンセント)などIT(情報技術)企業の躍進が鮮明だが、中国勢は金融やエネルギーの存在感もなお高い。
日本勢は首位がトヨタ自動車、2位が三菱UFJフィナンシャル・グループと上位の顔ぶれに大きな変化は見られなかったが、キーエンスが急伸して26位に食い込み、ソフトバンクグループも22位に入った。

日本市場が大納会だった17年12月29日時点で集計し、ドル換算して比較した。中国勢はテンセントとアリババ集団のIT2社が16年末に首位だった
韓国サムスン電子を大きく引き離して1、2位を占めた。スマートフォン(スマホ)を使った決済でおよそ9割のシェアを握り、好調な中国の消費市場を背景に外国人投資家の資金が集中している。

中国工商銀行と中国建設銀行、中国農業銀行、中国銀行の四大銀行もそろって時価総額を増やした。不良債権比率の上昇に歯止めがかかり投資家の警戒感が後退したうえ、
堅調な中国景気を背景に融資業務の収入が拡大している。中国平安保険や招商銀行なども時価総額を増やして上位に食い込んだ。

かつてけん引役だったエネルギー企業の勢いは鈍ったものの、中国石油天然気(ペトロチャイナ)は時価総額を増やして6位。中国石油化工(シノペック)も16位となお上位にある。

中国企業以外でもIT関連企業は投資家の期待が高い。3位のサムスン電子は時価総額が46%の増加になった。
台湾積体電路製造(TSMC)も9位だ。両社ともスマホやサーバー、自動車用などに用途が広がる半導体需要が追い風になっている。

上位50社で日本勢は中国に続く14社となった。日本勢首位のトヨタや2位の三菱UFJなど上位の顔ぶれに大きな変化がないなか、時価総額を大きく伸ばしたのがキーエンスだ。
アジアで高まる設備投資需要を取り込み、時価総額は63%の増加となった。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25496910Q8A110C1000000/