お母さんにダンス見てほしい…衰弱死の女性、小5の文集
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頑張って、お母さんに見てもらいたい――。小学5年の運動会で創作ダンスを披露し、文集にそんな言葉を残していた少女は約20年後、無残な姿で見つかった。
大阪府寝屋川市の自宅で柿元愛里さん(33)が衰弱死した事件。府警が2日、両親を監禁と保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕した。

「読書が好きで、休み時間にはよく、図書館で分厚い本を読んでいた」。小学校の同級生だった女性(33)は、記憶の中の愛里さんをこう振り返る。

愛里さんは小学5年だった1995年夏ごろ、大阪府枚方市から隣の寝屋川市の家に両親と妹とともに引っ越し、地区の小学校に転校してきた。
女性はそれから6年生まで同じクラス。「可愛い名前ね」と話しかけると、愛里さんは「お父さんがつけてくれた名前なんよ」と教えてくれたという。
飼育委員を務め、熱心にウサギの世話をしていた姿をよく覚えている。

小5の頃に書いた文集には、創作ダンスを一生懸命練習し、「お母さん来てないかなあ、見てほしいなあと思って、ダンスをしながら目で探していた」と記していた。
小6の3学期から突然、学校に来なくなり、中学に登校する姿も見ていない。「恥ずかしがり屋の普通の女の子だったのに、悲しすぎる。真実を明らかにしてほしい」と願う。

学校が同じだった別の男性は、愛里さんが登校しない理由を教師に尋ねた。だが、「『事情がある』としか返してくれなかった」と話す。

捜査関係者によると、愛里さんは16歳の頃に統合失調症と診断されていた。
両親は「暴れることがあり、16、17歳の頃からプレハブの部屋を改修して入れた。周囲に知られたくなかった」などと供述しているという。
厚生労働省は統合失調症について「初めて発症した患者のほぼ半数は、完全で長期的な回復を期待できるようになった」とするなど、適切な治療により回復する人も少なくない。



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