BPO意見書 放送の倫理が問われた


何でもあり、の情報たれ流しがまかり通ってはならない。一テレビ局の問題にとどめず、放送界
全体が改めて足元を見つめ直す機会とするべきだ。

 東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)が1月に放送した番組「ニュース女子」について、
放送倫理・番組向上機構(BPO)の委員会が「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を出した。

 化粧品会社DHC系列の制作会社がつくり、MXは関与していない「持ち込み番組」で、沖縄の
米軍ヘリパッド建設への抗議活動を批判的に取りあげた。

 事実関係の誤り、裏づけ取材の欠如、不適切な映像使用、侮蔑的な表現など、指摘された
問題点は数多い。
驚くのは、MXが適正なチェック(考査)をしないまま放送したことだ。

 バラエティー・情報番組であっても事実を扱う以上、報道と同じように真実に迫る最善の努力が求められる。
視聴者に届けるものをチェックするのは、放送に責任を持つ者の最低限の義務である――。

 BPOの見解は、今さら確認するまでもない当然の内容だ。
MXは、公共の電波の使用を認められた放送局としての自覚を欠いていたというほかない。

http://www.asahi.com/articles/DA3S13275732.html