「怖い」絶叫、女性落水 抗議船に保安官乗り込み沈没寸前 辺野古新基地

新基地建設が進む沖縄県名護市辺野古沖で16日、抗議する市民の船に海上保安官が乗り込んで定員をオーバーし、不安定になって女性(40)=名護市=が海に落ちた。船は両舷からの浸水が激しく沈没寸前に。
「怖い」と絶叫し続けた女性は「死んでしまうと思った」と語った。

現場は臨時制限区域の外側で、立ち入り禁止ではない外洋。午前9時ごろ、抗議のため石材運搬船に近づいた「ぶるーの船」に対し、海保のゴムボート2隻が左右から体当たりし、さらに挟み込んで停船させた。
保安官の1人が市民に「ばか」と発言し、抗議すると「規制します」と保安官3人が乗り込んできた。

定員いっぱいの5人が乗った小さな船にさらに保安官3人が乗り、もみ合いもあって大きく揺れた。
「海水がガバガバ入ってきて、転覆すると思った。逃げなければ」と考えた女性は次の瞬間、海に落ちていた。海保のボートに引き上げられ、けがはなかった。

同乗していた北上田毅さん(72)は「定員いっぱいだと事前に伝えたのに無視した。海保が一番安全を侵害している」と憤った。操船した大畑豊さん(54)も「もっと安全な規制の仕方があるはずだ」と批判した。

この日は初めて本部港から海路で石材が搬入された。
同乗していた男性(49)は「ここまでやるのか。政府が高江で陸自ヘリを使った時も思った」。
ゲート前で座り込んだ女性(66)は「わざわざ船を使って増えた工費も血税から捻出される」と怒った。

第11管区海上保安本部は取材に対し、「再三の警告にもかかわらず、危険な行為をしていた。安全確保の観点から、一時的に定員を超えることもある。正当な行為だと認識している」と回答した。
「ばか」と発言した保安官には指導したことを明らかにし、「このような事がないよう改めて指導していく」と説明した。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/185012
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http://youtu.be/C_p83patfIw