日本を訪れる外国人観光客(インバウンド)が急増し、関西では大阪、京都の観光スポットが連日大勢の外国人で
にぎわっているのに対し、神戸を訪れる訪日客は極端に少ない−。こんな傾向が、三菱総合研究所が行った調査で
明らかになった。神戸といえば、海と山に挟まれた美しい景色に恵まれ、異国情緒が漂うおしゃれな街として人気を
呼びそうだが、なぜか訪日客の足は向かない様子。「呼び込むための新たな仕掛けが必要なのかもしれない」
と指摘する声もある。

 同研究所は今年2月と7月、関西国際空港から出国する外国人旅行者(約4千サンプル)に対して聞き取り調査を実施。
この結果から、昨年1年間に訪れた旅行者の数を観光地・エリアごとに推計した。

 これによると、大阪では「難波・心斎橋」がダントツの702万人で、「梅田・大阪駅周辺」551万人、「大阪城」443万人と続いた。
京都ではトップの「東山」が480万人。「京都駅周辺」は371万人、「金閣寺周辺」は274万人となっている。

 これに対し「神戸・三宮」は74万人。「難波・心斎橋」の10分の1ほどの水準にとどまっている。

 府県間の流動量(移動の延べ回数)に関しても、「大阪−京都」の延べ1434万人に対し、「大阪−兵庫」は延べ384万人だった。

 「京都には歴史、大阪には食や買い物といった楽しみがある。神戸の異国情緒は、日本人にとっては魅力的だが、
訪日客にはそう写らないのかも」。三菱総合研究所の担当者はこう推察しながら「それにしても少なすぎるという感覚はある」
と首をかしげる。その上で、呼び込み策として「外国人が好みそうなスポットのPR、行って体験してみたくなるような仕掛けが
必要なのかもしれない」と話した。
http://www.sankei.com/west/news/171214/wst1712140064-n1.html