アップル、グーグルなど欧米の大企業もこぞって社員研究に取り入れ、昨今、世界中で大きな流行をみせているマインドフルネス瞑想。創造力が増し、ストレスが軽減するとして、我が国の多忙なビジネスパーソンも積極的に取り入れているが、ここに来て、瞑想の負の側面、いわゆる副作用が指摘され始めているのだ。


■マインドフルネス瞑想が犯罪を助長する

 心理学系ニュースサイト「Psychology Today」(11月20日付)が、今年10月、科学ジャーナル「Personality and Social Psychology Bulletin」に発表された驚きの論文を紹介している。それによると、同論文執筆者らが、259人の囚人と516人の大学生にマインドフルネス瞑想を実践してもらい、
2つの観点(感情の抑制と自己に対する判断の保留)から、その影響を分析したところ、囚人らに負の影響が顕著に表れたというのだ。

 まず一つ目の感情の抑制においては、「犯罪傾向認知スケール(CCS)」(他者より優れているという感覚、自身の責任を受け入れない態度、権力に対する否定的態度、短期的な結果に集中する傾向、犯罪行為に対する無関心など)のスコアが低く出たものの、
自己に対する判断の保留においては、囚人のCCSスコアが極めて高い値を叩き出したという。

 それというのも、犯罪行為に繋がる思考パターンに慣れている人物にとって、自身の思考に対する判断を保留するということは、自身の行動の責任を取らないことに繋がるため、CCSのスコアが高く出たのだという。囚人の更生や犯罪衝動の抑制を目的として、マインドフルネス瞑想を取り入れる刑務所が増えてきているが、
本当に瞑想が犯罪抑止に役立つのか、今一度見直した方が良いかもしれない。


http://tocana.jp/2017/12/post_15385_entry.html