【ワシントン時事】トランプ政権の今後を占う選挙として全米の注目を集めた南部アラバマ州での
上院補欠選挙が12日、投開票され、米メディアによると、民主党のジョーンズ元同州連邦検事(63)が
接戦を制し当選を確実にした。トランプ政権には大きな打撃となった。選挙戦は、未成年者への
セクハラ疑惑が浮上し失速した共和党のムーア元州最高裁長官(70)と、共和党の牙城を崩したい
ジョーンズ氏が接戦を繰り広げた。
ムーア氏は約40年前、複数の未成年だった女性に性的いたずらや暴行を行った疑いが先月、
浮上した。共和党執行部は、選挙戦からの撤退を促したが、トランプ大統領は先週末、集会で
「(勢力が伯仲する)上院で民主党に譲る議席はない」とムーア氏支持の姿勢を貫いた。
米アラバマ州上院補欠選挙の民主党候補ジョーンズ元州連邦検事=9日、
アラバマ州バーミングハム(AFP=時事)
ムーア氏は、バノン前首席戦略官・上級顧問の全面支援も受けていた。選挙結果は、
保守強硬派バノン氏の影響力を測る尺度ともなった。
一方、ジョーンズ氏は、セクハラ被害を訴える女性の声に耳を傾ける姿勢を示し
「正しい選択をしよう」と保守層の良識にアピールする戦術を取った。当初ムーア氏に大差を
つけられていたが、投票直前の世論調査では互角の情勢まで追い上げていた。
今回の補選はセッションズ司法長官の上院議員辞職に伴う選挙。ムーア氏が敗れ、
上院(100議席)の共和党の議席は51に減ることになる。トランプ政権にとって
重要法案を否決されるリスクが高まる。(2017/12/13-12:50)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121300597&g=int