神戸刑務所(明石市)に服役中、骨折し適切な治療を受けられず後遺症が出たとして、国に慰謝料など約4300万円を求めた訴訟の判決が
11日、神戸地裁姫路支部であった。惣脇美奈子裁判長は主張を認め、国に約2800万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は服役中の07年3月、運動中に転倒して左肘を脱臼し、外部の民間病院でギプス固定などの処置を受けたが、
その後に適切な治療がされず、握力が弱まるなどの後遺症が出た。

 惣脇裁判長は「ギプス固定の角度が十分でなかった可能性が高い」と指摘。ギプスを外す際も、回復度合いを確認する
レントゲン撮影を受けさせる注意義務を怠ったとし、国の責任を認めた。

 男性の代理人弁護士は「国の不法行為が認められた」と評価。神戸刑務所は「担当者が不在でコメントできない」としている。

 男性は服役後、12年3月に再審請求。最高裁は今年10月、神戸地裁に審理を差し戻した大阪高裁決定を支持し、男性側の特別抗告を棄却している。

神戸新聞2017/12/12
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201712/0010809390.shtml