<JR東>突風予測し事前に列車停止 羽越線転覆事故受け気象庁とシステム開発、庄内地域に導入へ (河北新報) - Yahoo!ニュース

 JR東日本と気象庁気象研究所は5日、雨粒の動きから空気の渦を探知するドップラーレーダーを使っ
て突風を事前に予測し、列車の運転を規制する新システムを19日から、山形県庄内地域を走る羽越線
と陸羽西線に導入すると発表した。

 山形県庄内町で2005年12月に起きたJR羽越線特急転覆事故を受け、共同研究を進めてきた。ドップ
ラーレーダーによる列車の運転規制は世界初となる。

 JR東などはJR余目駅(庄内町)の屋上に設置したドップラーレーダーなどで、冬の庄内地域に突風を
もたらす上空の渦を探知し、風の速さや進路を事前予測する方法を研究。今年3月に酒田市黒森に新
設した高性能レーダーも活用し、突風を事前探知する仕組みを開発した。

 同社によると、新たなシステムは高性能レーダーから半径30キロ圏内にある羽越線の五十川−女鹿
間、陸羽西線の余目−清川間が対象。事前に探知した突風の情報を列車の運行を管理する指令室に
伝え、必要があれば、指令員が運転士に運転の中止を指示する。

 高性能レーダーや運転規制システムの整備にかかった費用は約4億8000万円。高性能レーダーは半
径60キロまで観測でき、同社はデータを蓄積した上で運転規制エリアの拡大の可否を判断する。気象研
究所と竜巻などにも応用できるシステムの研究も進める。

 事故は05年12月25日午後7時14分、羽越線北余目−砂越間で特急いなほ14号(6両編成)が脱線転
覆し、乗客5人が死亡、乗員2人を含む33人が重軽傷を負った。国土交通省航空・鉄道事故調査委員
会(現運輸安全委員会)は08年、原因を「列車右側からの局所的な突風」と結論付けた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171206-00000029-khks-soci
https://amd.c.yimg.jp/amd/20171206-00000029-khks-000-1-view.jpg