【ソウル=名村隆寛】南北軍事境界線がある板門店で北朝鮮側から銃撃を受け韓国側に亡命した兵士について、韓国の左派系野党議員が「人格的なテロにあった」と、治療した教授(医師)を非難し、波紋が広がっている。

兵士の手術では体内から大量の寄生虫が発見され、腸内に少量のトウモロコシの粒しかなかったことが判明した。
これに対し、「正義党」の金鍾大(キム・ジョンテ)議員は自身のフェイスブックに「プライバシーの侵害」と、兵士の体内を公開したとして教授を批判。
病状を伝えたメディアに対しても「銃撃を加えた北朝鮮と同様のことをした」と非難した。

正義党はこれまで北朝鮮の人権問題には関心を示さず、北朝鮮人権法の成立に反対してきた。手術で北朝鮮住民の衛生と健康の実態が分かった。
金議員はそれを問題視せず、兵士の命を救った教授を「人権」という言葉で攻撃したのだ。

北朝鮮の人権問題から目を背ける左派系金議員の的外れな発言に対し、「命がけで逃げてきた兵士の体内を見て、北朝鮮政権の失敗や住民弾圧を告発すべきではないか」(朝鮮日報)などとの批判が続出している。

http://www.sankei.com/world/news/171124/wor1711240037-n1.html