マツダの次世代技術群『SKYACTIV-X』に試乗してきた。
現時点での仕上がり具合についちゃ皆さんの如く素直に「すばらしい!」などという表現は私にゃ無理。
それはさておき、技術プレゼンで気になったのが、徹底的な電気自動車叩きである。
マツダの伝統芸なのか、ライバルを叩くことを好む。SKYACTIV-Gではダウンサイジングターボを徹底的に否定し、
VWのディーゼル排出ガス不正の時も他のメーカーの悪口大会に終始した。百歩譲って、ライバル叩きが妥当なら納得できるけれど、
いつも自分にとって都合のよいデータばかり並べてくる傾向。今回も驚くべきデータだ。
骨子を挙げると「電気自動車は走行時に二酸化炭素を出さないが、電気作るところから考えれば内燃機関有利である」というもの。
提示されたデータを見ると、リーフ級の電気自動車と、アクセラのガソリン車の走行1kmあたりの二酸化炭素排出量を比べている。
曰く「電気自動車は1kmあたり128g。アクセラ142g。アクセラの燃費を10%改善すれば電気自動車に追いつく」。このデータ見て皆さん納得してる。
しかし! データの根拠を見て驚く。だって電気自動車の電費を4.7km/kWhという、普通なら考えられないほど悪い数字とし、
いっぽう、アクセラの燃費は19.2km/Lでエコランやったように超すばらしい数字! アクセラのJC08燃費って1500ccでも20.4km/L。
ちなみにリーフのJC08電費は9.5km/kWhである。マツダが示したデータとJC08燃費を照らし合わせると、アクセラはJC08燃費の95%達成なのに対してリーフだと半分。
こんな数字を使って内燃機関の優位性をアピールしちゃアカンと思う。
参考までに書いておくと、限りなく実燃費に近い数字で有名なアメリカEPAのデータだと、アクセラが13.5km/L。リーフは6.6km/kWhである。
これをベースに二酸化炭素排出量を出すと、アクセラ201g/kmのリーフ91g/kmとなり、二酸化炭素排出量は半分以下になる。
アクセラの燃費を10%伸ばしたって、とうてい電気自動車に届かない。しかも電気は太陽光で作ることだって可能。
ライバルや他の技術を叩くのはいかがなものだろうか?
https://carview.yahoo.co.jp/news/market/20171112-10276973-carview/?mode=full